旅立ちの日に
2024.03.02
学校NEWS校長ブログ
3月1日(金)に京華女子高等学校の第111回卒業式が行われました。前日から降り始めた雨もあがり、天気は晴天!やわらな日差しに春のおとずれを感じる卒業式日和となりました。
大きな拍手の中、卒業生が入場しました。いつも以上に凛とした大人びた表情で席に着きました。

卒業式の始まりは校歌斉唱から。みんなで校歌を歌うのはこれが最後になります。

今年も一人ずつ卒業証書を校長から手渡ししました。


卒業証書授与から各種表彰で1時間近くかかりましたが、みんな最後まで立派な態度で、3年間の成長を感じました。

在校生代表の送辞は、コロナ禍の中、いつも元気に前向きにリードしてくれた先輩達への感謝の気持ちを熱く語ってくれました。本当に、今年の卒業生は、いつも明るく後輩を引っ張ってくれましたね。

最後の卒業生代表の答辞は、コロナ禍でつらいこともあったけど、宿泊行事や京華祭、体育祭など、制限がある中でも精一杯できたこと、みんなで協力してがんばったこと、仲間がいたから楽しめたこと、そして、先生や家族への感謝の言葉を語ってくれました。

校長式辞では、3年間、元気に明るく後輩を引っ張ってくれた卒業生への感謝の言葉と未来に向けて心にとどめてほしいことを伝えました。(下に式辞の抜粋あり)

最後に歌った「旅立ちの日に」は、素晴らしかった! 泣けました…

卒業おめでとう!!
<校長式辞より抜粋>
(前半部分省略)
さて、皆さんは、今、この3年間を振り返って、どんな思いでこの卒業式を迎えているでしょうか。
皆さんが高校に入学したのは2021年の4月でした。入学式は、参列者全員にマスク着用を義務づける中で行われました。そして、前年度まで中止になっていた宿泊行事が再開され、高2からは、対面での京華祭や浦和グラウンドでの体育祭も再開されました。皆さんがグラウンドを走り回って大活躍したことも覚えています。そして、高3になってからは、ほぼ通常の学校生活に戻ってきました。
本日、その高校生活も最後の日を迎えました。
(中略)
これから皆さんが迎える未来は、確実に変化していきます。技術の進化が私たちの生活を根底から変えていきます。AIはその象徴であり、特に、昨年ユーザーが一億人を超えて話題になった「Chat GPT」は、今も記録的なスピードで拡大しています。これからも新たな生成AIが次々と生み出され、一部の人だけではなく、誰もが未来の仲間としてAIと共存していくことになります。
AIはデータ処理に優れ、様々な情報や模範的な回答を一瞬で示してくれます。しかし、その一方で、独自の感性、今までに例のない特異な視点など、データ化できないものやオリジナリティがあるものを作りだすことは困難です。あくまでも、AIは私たちが持っているものをおぎない、強化するものです。
だからこそ、卒業生の皆さんには、好奇心を大切にし、新しいことに積極的に挑戦することで、自分のオリジナリティを磨いてほしいと思います。新しい分野やアート・文化に触れ、自分の頭で考えて、自分の言葉で語りましょう。誰かの真似するだけではAIには勝てません。皆さんが自分らしさを大切にしながら磨き上げた独自のアイディア、夢、そして異なる視点が、未来の社会に新しい風を吹き込きこんでくれることを大いに期待しています。
そして、2つ目は、人間らしさ、人としての力を大切にすることです。技術が進化し、AIが果たす役割が拡大する中で、人間が持つ特性の重要度も増していきます。対人関係やコミュニケーションの場面においては、共感力や感情コントロール力などがとても重要です。このような数字では表せない能力は、AIが学習することは難しいので、人間同士の交流において、今後さらに重視されていくことは間違いありません。
皆さんは、この3年間で学力だけではなく、仲間を思いやり、心に寄り添う共感力を身につけてきました。また、コロナにも負けず、どんな厳しい状況になっても、最後まであきらめないネバーダイ精神も心に刻まれているはずです。皆さんには、これからどんな未来がおとずれても、自分の創造力と人間力を信じて、自ら進んで困難に挑戦していく人になってほしいと思います。これからの皆さんの活躍を大いに期待しています。
結びにあたり、保護者の皆様には、これまで、時には厳しく、時には優しく、お子様を支えていただき、また、本校の教育活動に絶大なご理解とご協力を賜わりましたことに、心より感謝申し上げます。これから卒業生たちは、決して甘くはない「未来への航海」に旅立ちます。たとえ荒波に襲われても、学校生活の中で身につけた「不屈の精神」で必ず乗り越えていくと信じています。
また、京華女子は、航海の途中であっても、仲間と一緒にいつでも立ち寄ることができる港である、「母港」だということを忘れないでください。
私たちは、卒業してからもずっと皆さんを見守っています。
(以下略)
本校を巣立っていった117名の英才たちに希望溢れる未来を!