文芸部 文学散歩

2024.07.13

文芸

文芸部初めての校外活動として、学校周辺の文学散歩を行いました。文芸部は昨年度まで同好会で、部員も少なかったのですが、今年は人数が増え、部に昇格することができました。そのお祝いとしての文学散歩でもあります。

文京区、そして京華女子の近辺は、文学者にゆかりのある史跡が多くあります。無目的にブラブラ歩いても著名人の足跡に遭遇するのではというくらい、様々なものがあります。今回は本郷にある石川啄木の下宿跡から出発し、小石川にある石川啄木終焉の地で終わるプランにしました。本郷、小石川の基本を学ぶという形です。

この本郷、小石川の地には樋口一葉に関わる建物、宮澤賢治の下宿跡、幸田露伴の旧宅跡、遠藤周作の『沈黙』のモデルとなった宣教師の墓碑などがあります。また、夏目漱石の『こころ』には次の描写があります。

「私はとうとう万世橋を渡って、明神の坂を上がって、本郷台へ来て、それからまた菊坂を下りて、しまいに小石川の谷へ下りたのです。私の歩いた距離はこの三区に跨がって、いびつな円を描いたともいわれるでしょうが、私はこの長い散歩の間ほとんどKの事を考えなかったのです」(「下 先生と遺書」)

「私は食後Kを散歩に連れ出しました。二人は伝通院の裏手から植物園の通りをぐるりと廻ってまた富坂の下へ出ました。散歩としては短い方ではありませんでしたが、その間に話した事は極めて少なかったのです」(「下 先生と遺書」)

この、「先生」が懊悩して歩いたであろう道をたどりつつ、近現代で活躍した文学者に思いをはせ、文学散歩を行いました。

約6キロ、およそ三時間の行程でしたが、部員はそれぞれの銘板をメモし、気になるところは質問をして知見を深めていました。ところどころで行ったクイズでは文学者の新たな一面を発見したようで、面白く充実した文学散歩となりました。

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